拡張ピラミッド - 圧力センサカプセルからコネクタまで
17. août 2025

圧力センサとは、物理的な圧力を電気的な出力変数に変換して測定および分析可能にする圧力測定装置です。製造業者や言語地域により、圧力センサは圧力測定セル、圧力トランスデューサ、圧力トランスミッタ、または圧力測定トランスミッタなど様々な名称で呼ばれます。このブログでは、KELLER Pressure社の技術用語を説明し、実際にお客様に提供している多様なバリエーションを紹介します。

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圧力トランスデューサの構造については、ブログ「KELLER Pressure has Reinvented the Wheel」で説明しています。また、圧力の種類については「Pressure Types and What They Mean」で詳細に解説しています。このブログは、前述の2つの記事の内容を基にしており、トランスデューサとトランスミッタの違いおよびそれぞれの拡張ステージに焦点を当てていきます。
圧力トランスデューサカプセル – 基本概念
KELLER Pressure社における「圧力トランスデューサカプセル」という用語は、圧力センサチップが油に囲まれた状態で密閉された、金属製の「ロードセル」を指します。圧力トランスミッタとは異なり、圧力トランスデューサの出力信号は補正されておらず、4-20mAや0-10Vのような標準信号にもなっていません。この信号は、圧力センサチップに組み込まれたホイットストーンブリッジの特性そのものであり、増幅も補正もされていません。そのため、たとえ同じ製造ロットの圧力トランスデューサ同士であっても、出力信号が一様に同じになるとは限りません。
圧力トランスミッタ – 完成品
KELLER Pressure社のコアコンピタンスの1つに、個々の圧力トランスデューサの特性を、圧力および温度の全範囲にわたって正確に測定することがあります。収集したデータに基づき、追加の電子回路が信号を補正し、顧客が要求する出力信号に変換します。
この変換の代表的な例が、現在でも幅広く使用されているアナログの4...20 mA出力信号です。従来この調整は可変抵抗器(いわゆるポテンショメータ)を使って手動で行っていましたが、現在ではほとんどの場合、ソフトウェアによって素早く、信頼性高く、精密に行うことが可能です。

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ブログ「Even More Accurate Measurements」では、私たちのコアコンピタンスの1つについてさらに詳しく説明しています。記事「Mathematical Compensation Model」では、KELLER Pressure社における補償方法に関する詳しい解説をご覧いただけます。
圧力センサカプセルと圧力センサヘッドの対比
データシートの1ページ目には「絶縁カプセル化されたピエゾ抵抗圧力センサーチップ」という表現が使われていますが、これは一体どういう意味なのでしょうか?
私たちは、圧力トランスデューサの典型的な構造を「圧力トランスデューサカプセル」と呼んでいます。その中にある圧力センサチップは密閉されており、すなわちカプセル化され、ダイアフラム、金属ハウジング、ガラスフィードスルーによって測定対象の媒体から隔離されています。
「圧力トランスデューサヘッド」とは、このカプセルが圧力接続と組み合わさったものを指します。カプセルと圧力接続はしっかりと溶接されています。カプセルと比較して、圧力トランスデューサヘッドは規格品のネジ、六角ナット、シーリング面が既に備わっているので、取付が容易です。圧力トランスデューサカプセルを使用する場合は、取付に関する説明書を参照してください。
どちらの用語にも「トランスデューサ」という言葉が含まれているので、いずれの場合もすなわち信号調整用の電子回路のないパッシブな圧力測定素子、ということになります。
CiOテクノロジー – 例外的な技術
21Cに代表される製品群(総称:Cライン)および9LDに代表される製品群(Dライン)で使用されているチップインオイル(CiO)技術では、電子回路全体と圧力センサチップが油で満たされた金属ハウジング内ですぐ隣同士に配置されています。これにより、外部の電子回路が不要となり、極めてコンパクトなデザインが可能になりました。そのため、これらの製品群は湿気、振動、衝撃などの環境影響に対して非常に堅牢です。
KELLER Pressure 社の独自開発であるこの技術のおかげで、従来のトランスデューサのサイズそのままに、圧力トランスミッタを製造できることにもなりました。しかし、これはちょっとした混乱のもとでもあります。というのも、外見だけでは、そのカプセルが信号が補正も増幅もされていない圧力トランスデューサなのか、Dライン圧力トランスミッタなのかひと目では分からないためです。一方Cラインは、製品ラインナップの中で唯一3ピンのガラスフィードスルーを備えたモデルなので、少しだけ識別がしやすくなっています。
Cラインと Dラインの主な違いは、電子回路にあります。Cラインは 0.5〜4.5 V のレシオメトリック出力信号を出すものであるのに対し、Dラインはデジタルの I²C 信号を出力します。I2Cは、マイコンベースのシステムに直接組み込むのに最適です。

カスタムソリューション – アプリケーションへの最適解
お客様のアプリケーションは非常に多岐にわたり、多くの場合において、カスタマイズされたソリューションが求められます。これこそが、私たちKELLER Pressure社の大きな強みの一つなのです。
一例:
33Xシリーズの性能を必要としているお客様がいました。ですがアプリケーションの都合上スペースが限られており、圧力トランスミッタを設置する余裕がありませんでした。これに対する私たちの解決策は、トランスデューサヘッドとそれに相対する露出型の補償電子回路を組み合わせた、「圧力トランスミッタヘッド」の使用です。
このような場合、電子回路の収納および保護はお客様の責任でやってもらう必要があります。しかしお客様としては例え追加の作業というデメリットがあっても、この極めてコンパクトなカスタムソリューションのメリットがデメリットを上回っていることが分かり、高い評価をいただきました。
このコンセプトは言葉で説明するのが難しいため、以下のようにまとめました:
KELLER Pressure 社の販売実績においては、圧力トランスミッタのカテゴリーが圧倒的にトップです。
まとめと重要ポイント
KELLER Pressure 社の圧力トランスデューサは、増幅されていない非標準化の出力をする製品です。これに対してトランスミッタは、トランスデューサと信号処理用の電子回路を備えており、トランスデューサの特性を補正し、出力信号を4-20mAや0-10Vなど標準化された信号に変換します。
私たちの製品ラインナップの中で最もコンパクトなトランスミッタは、Cラインおよび Dラインです。これらの製品では、圧力測定用シリコンチップのすぐそばに電子回路全体があり、オイルの中に完全に封入されています。設置スペースに余裕がないアプリケーションに最適です。
しかし、KELLER Pressure 社は標準的なトランスデューサやトランスミッタだけを提供しているわけではありません。カプセルまたはトランスデューサヘッドとカスタマイズされた電子回路の、あらゆる組み合わせをお客様のニーズに合わせて製造しており、それぞれのアプリケーションにぴったりのソリューションを提供しているのです。